トルコリラ FX再開を考察す

FX

2024年も、はや1か月が終わろうとしています。
この1か月で投資環境は、大幅に景色が変わりました。
その結果、円安継続による「円資産の棄損」が続き、日本株は急上昇。
米国株S&Pも2024年1月19日には、前日比1%高の4839.81で引け過去最高値を更新致しました。
そのため、今から投資する勇気は、今の自分にはありません。

そこで、唯一負け組の「トルコリラ」に関心を持つようになりました。
本日は、トルコリラへの投資(FX)を考察したいと思います。

そもそもなぜ、トルコリラが最弱なのか

まずは、現時点でなぜ「トルコリラ」が最弱通貨なのかいままでの経緯を調べてみました。

原因は、エルドアン大統領の元、政権運営が失敗続きであったため

エルドアン大統領は、2014年8月より就任し以降、トルコの国家運営に携わってきました。
エルドアン大統領は、基本、自身の政党の「支持率」を優先させる国家運営をしてきたため、経済政策・通貨政策において次第にトルコの経済にゆがみが生じるようになりました。
また2019年5月の「イスタンブール市長選」の敗北により、やり直し選挙を強行するようになり、大統領の権限を大きく逸脱するようになりました。
これにより、長年の「エルドアン大統領」の強権的な国家運営の結果、トルコの「民主主義」「資本主義」に対する西側諸国の信頼が失墜してしまったのです。

そのため、2015年には「1リラ50円超え」であった通貨が、2023年末には「1リラ5円を切る」という価値が10分の一まで棄損する結果となったのです。

ゆえにトルコ国民は、自国通貨のトルコリラへの信用を無くし、給料で頂いたトルコリラをすぐに外国通貨ドル・ユーロや金・暗号通貨などへ交換し、トルコリラを持たないように生活しているそうです。

2023年大統領選挙後の政権運営へ変化が生じる

大統領選挙後、いままでの政権運営を一新し、インフレ抑制のため政策転換を図る人事を敢行しました。
財務相には、トルコ経済成長に貢献してきた「シムシェキ元副首領」を任命。
中央銀行総裁には、米ゴールドマン・サックスに勤務経験があり、かつ米プリンストン大で金融工学などの博士号をもつ「エルカン氏」を任命。
これは、長年にわたるインフレにより市民生活は苦境に陥っていたために、抜本的は対策を講じる必要があったためです。

トルコの構造改革へ着手

シクシェキ財務相、エルカン中央銀行総裁の元、市中に蔓延しているインフレ抑制のため、新経済対策に着手することになりました。
具体的には「通貨対策」「経済対策」を見て行きましょう。
※両名とも2023年6月に任命されてます。

通貨対策  政策金利の引き上げの実施

トルコ中央銀行は、2023年6月22日に「8.5%」から2024年1月25日まで8回連続引き上げを実施し、現時点で「45%」まで大幅な引き上げを実施しました。
なお、この45%をインフレ鎮静化の目処が立つまでは、この政策金利を維持されると表明。
今後は、毎月の政策金利会合の判断に注視する必要があります。

引用:TRADING ECONIMICSのトルコ経済指標の利率より

外貨準備高の積み増し

トルコの国債・通貨安定のため、外貨準備高を増やす必要があります。
以下、外貨準備高の推移を見てみましょう。

引用:TRADING ECONIMICSのトルコ経済指標の外貨準備高より

2023年の大統領選挙後、外貨準備高が急上昇していることが分かります。
ただし12月中旬から減少に転じてますが、これは原油輸入増加・観光シーズン(4月~10月)外による観光収入減少など考えられます。
そのため、3月くらいまでは減少の可能性がありますので4月以降の外貨準備高の回復基調が重要となります。

経常収支の改善の必要あり

トルコ国内の通貨安定には、トルコ国内の富が海外に流出を防ぐ必要があります。
では経常収支の推移を見てみましょう。

引用:TRADING ECONIMICSのトルコ経済指標の経常収支より

回復傾向にありますが、まだまだ黒字化には道のりがありますので、安定的に黒字化するかが重要な課題と言えます。
現在、海外からの「直接投資」や「株式購入資金」が流入されてますので、今後も継続するかはトルコの「資本主義」回帰への信頼を回復させていくしかないでしょう。

トルコ国債の格付け回復の必要性

長年にわたるエルドアン大統領による場当たり的な経済運営の原因により、トルコの国債信用は失墜してしまいました。
これはトルコ政府の資金調達費用が、高い利率が必要なためトルコに不利な形が慣例化しておりました。
これが新体制によるトルコの構造改革の結果、2023年末頃からトルコ国債の格付け見通しに変化が生じました。つまり海外によるトルコの資本主義に対する信頼度が上がってきているわけです。
最近の事例を下記に記します。
 格付け会社S&Pグローバル・レーティングは、2023年11月30日にトルコのソブリン格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に修正した。格付けは「B」に据え置いた。
他の格付け会社も同様に、格付けの変更までには至りませんが見通しの改善が続いております。

トルコ国内の最低賃金49%増へ引き上げ 2024年1月より

日本貿易振興機構(ジェトロ)は、2024年1月10日のビジネス短信より。
トルコ労働社会保障省の12月22日の発表によると、1月1日以降の1日当たり最低賃金は666.75リラ(約3,200円、1月5日付換算レートで1リラ=約4.8円)に引き上げられた。

引用:日本貿易振興機構(ジェトロ)は、2024年1月10日のビジネス短信より。

ただし、この最低賃金の大幅な引き上げは、トルコ国民のリラへの信用失墜のため、すぐに外貨等へ交換されるため、トルコリラ相場的には、「リラ安」要素になります。

トルコリラの推移と見通し

トルコリラ・米ドルの関係

引用: TradingViewのリアルタイムFXチャートの「米ドル/トルコリラ」より

1月に最安値1ドル30.4リラを更新。1月27日時点では、1ドル30.2円で推移。
米ドル視点で見ると、高金利状態の米国から見た場合、まだまだトルコリラへの評価が弱く、2024年末予想は、1ドル、34~36リラで推移見通しも模様です。
そのため、引き続き対ドルでは、リラ安で推移する見通しです。
仮にリラ高への転換には、少なくてもトルコ国債への格付けアップが必要と思われます。

トルコリラ・円の関係

引用: TradingViewのリアルタイムFXチャートの「トルコリラ/円」より

年初に「トルコリラ/円」は、最安値4.6円台を記録。
最近は円安効果により、4.8円台に回復しております。
対円では、2024年末予想は、4.1円~3.9円の予想。ただし、これは12月の円高傾向の際の予想。
つまり、トルコリラの相場は「円相場」次第ということです。
現行の円安の場合、最安値の更新は、まずないでしょう。
しかし油断は禁物、常に2024年末予想「4.1~3.9円」を意識し、ポジションを持つことが必要と思われます。

円相場見通しですが、日銀は現行のマイナス金利解除の解除に自信が持てないみたいで静観状態です。つまり円高要因は、日本自身にはかじ取りすることは難しく、一方、今の円安状態の方が株価の高値更新期待もあり、日銀及び政府にとって「今の円安」のほうが都合が良いと思われます。

トルコリラの情報収取について

①日々のトルコリラ見通しは、「FX羅針盤」がおすすめ。
ぜひグーグルで検索してみてください。
②YouTubeは、「31歳でFIREのタクスズキが投資成績を公開:FX、ドル円など為替相場予想も」がおすすめ。週5日は更新しており、最近、トルコリラの情報発信が多いです。
③「tradingeconomics」をグーグルで検索してみてください。各国の経済指標がデータベース化されてます。

トルコリラは買いか? ※個人の意見です。

仮にFXで「トルコリラ/円」を購入した場合、2024年内で利益を出せるかどうか微妙だと思います。
ただし2025年以降、スワップ生活を目指すならば、今年2024年に時間分散し購入することが「吉」と思われます。
理由は、トルコリラ/円の下値は、幸い円安効果で下限は4.1円まではいかないと予想。
そのため、レバレッジ3倍の低いレバでの運用ならば、買増ししつつ買値を4.8~4.6円で買い集めれば、あとはスワップポイントで、仮に相場が下落しても埋め合わせできると思います。

FX会社により「証拠金額の算定額・算定方法」及び「スワップポイント」に大きな差があります。決してスワッポポイントが高い会社が有利というわけではないので、もし初めて取引する方は、十二分に勉強してから参加しましょう。

トルコリラは、長年にわたる経済信用失墜により、トルコリラは「捨て値」状態です。
これは、私自身が、買ってもいいかな?と思える根拠です。

追伸 2023年最強通貨  メキシコペソ/円の取引は要注意

2024年前半(3月末付近)までは、メキシコペソは堅調に推移すると思われます。
それはアメリカに隣接するメキシコがアメリカ経済の好調の恩恵を一番受けやすいからです。
一方、既にその「最大利点」がメキシコペソに織り込まれております。
また一方ではメキシコ国内に少なからず、メキシコペソ高への不満が高まっております。
もし、アメリカ経済が不調に転じれば、同様にメキシコ経済も不調に転ずるでしょう。
もし、メキシコペソを購入する方は、必ず、昨年3月のアメリカ地銀破綻時の相場を意識し、いつでも逃げる覚悟を持って取引されることをおすすめいたします。

では、今年一年、皆さんの投資結果が、幸あることを願っております。



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