トルコリラ どうなる。エルカン総裁辞任!

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2月2日トルコ中央銀行総裁のエルカン氏が突如、辞任を申し入れました。
原因は、エルカン氏や家族への圧力があり家族の安全のため辞任に至るとのこと。
いままでトルコの金融政策が正常化に向かい、ようやく海外投資家などの信頼の道筋が見えてきた矢先での辞任劇。なんともやるせない思いですね。

マジメに国を思い、誰にもできなかった金融正常化への様々な施策を着実に実践してきたエルカン氏の手腕は、世界的に見ても稀有な金融総裁であったと思います。

エルドアン大統領は、後任にカラハン中銀副総裁を任命されました。
カラハン氏は、経歴として米ニューヨーク連銀にエコノミストとして勤務実績の他、長年、金融業界に携わってきた方です。
まだまだ若い方で正直、金融に詳しい方が多い、トルコが羨ましい限りです。

しかし、今回の辞任劇は突然であり、かつ、トルコの国に尽くされた人物への「誹謗中傷」という恩をあだで返す今のトルコを、海外投資家は、どう見るでしょうか?
今後のトルコリラ相場において、マイナス要因しか思いつきません。
では、今後のトルコ相場へのキーとなる経済指標・金融政策を見てみましょう。
まずは、2月の時点で、トルコ金融政策が本気でトルコリラへの信頼回復が継続されるか試金石となる重要な月となります。

2月5日 消費者物価指数CPIの発表

2月5日に消費者物価指数が発表されます。
エコノミストの事前調査では、インフレが加速される見通しです。

この影響は、トルコリラ安の原因となります。

特にインフレファイターのエルカン氏が辞任されたことで、今後の金融政策が「継続」されるかどうか重大な局面に差し掛かっております。

ドル/リラ相場の見通し


※そのため、対ドルでは、2月は最安値を更新するでしょう。

引用:TradingView ドル/トルコリラ相場により  日本時間 2月3日7時時点

ちなみに2月2日に、最安値を更新し、1ドル=30.48リラまで下落。
ただし、これはエルカン総裁の辞任前を相場です。

リラ/円の相場

折しも2月2日の米国 雇用統計において、雇用者・時給ともに上昇し、改めて米経済の強さを確認できたため、現在、「円安」相場となっております。

引用:TradingView トルコリラ/円相場により  日本時間 2月3日7時時点

この「円安効果」により、円・リラ共に「最弱通貨」の部類に入っているので、対円での最安値更新があるかどうかは、微妙な状態に思われます。

2月22日 トルコ中銀政策金利

トルコリラ相場の直近での山場は、「トルコ中銀政策金利」となるでしょう。
もし利下げがなく政策金利が「据え置き」ならば、最低限、海外投資家の信頼を繋ぎとめられると思われます。

問題は、インフレが再加速しているこの時期に、政策金利45%で海外投資家が満足できるかどうかです。
少なくても、当初、トルコ中銀の見通しでは、5月までのインフレの悪化が見込まれていましたので、2月のCPIが上昇(インフレ加速)しても想定内の出来事であったので、CPIの上昇の影響は軽微であったと思われます。

しかしエルカン氏の去ったトルコ中銀では、再度、海外投資家からの信頼を確認せねばならなくなったので、海外投資家は信頼の証に更なる利上げを催促する「トルコリラ売り」が再燃する可能性が高いと思われます。

2024年 年末時点でのトルコリラの相場

今月のトルコ中銀の政策金利次第では、年末のトルコリラ相場は、大幅な修正が生じてしまいます。
ドル/トルコリラ相場は、年初予想の最安値 1ドル=40リラへ下方修正
トルコリラ/円相場は、年初予想の最安値 3円台へ突入の可能性が大となるでしょう。

当初、問題になかった来月の「統一地方選」が、再度、グローズアップされないことを祈りしかありません。
以下、最悪なケース。
①エルドアン大統領からの「連続利下げ」の圧力があること。※選挙対策の為。
ちなみに、仮に「利下げ」がなくとも、エルドアン大統領からの要請(圧力)があっただけで、リラ安となる恐れがあります。

②統一地方選の「敗北」による「やり直し選挙」の実施。または言及があっただけでも為替への影響・大(大幅なリラ安)が考えられます。

今後、投資家のとるべき道は?

今の「トルコリラ」は、直近で最安値圏内(対円)にあります。
しかも運よく「円安効果」によるタメージ軽減が期待できます。
さらに最近、FX会社のスワッポポイントが上昇しているので「プラス効果」も期待できます。

しかし、もし2月22日の金融政策会合で「利下げ」によるいままでの政策金利からの決別。
さらに3月の「統一地方選」の敗北によるやり直し選挙への言及・実施が生じた場合、トルコリラからの撤退、もしくはポジション軽減(建玉 半減)の必要があると思います。

ただし、やはり「損失確定」は避けたいもの。最悪の事態を想定しつつ、ポジション解消は最小限にし、あとは、スワップポイントで穴埋めするのが現実的な選択かもしれません。

その意味での「2024年2月」のトルコリラ相場は、目の離せない状態です。

もし、今回の辞任劇によるトルコリラ安が一時的になるようであれば「絶好の買い場」となるでしょう。
その意味でもトルコリラは、投資というよりはギャンブルに近い感覚の相場となると思います。
一刻も早く、今回の「辞任劇」が軽微で終わることを祈って、来週は、様子見したいと思いますが、仮に対円でも最安値付近もしくは更新するまで下落した場合は、最低数、ナッピンを検討する価値があると思います。(半分、賭けの要素となりますが・・・・)

以上、トルコリラ投資家の皆さんの健闘を祈ります。






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