老後資金準備に向かない銘柄  ソフトバンクグループ

個別銘柄診断

当ブログでは「老後生活資金」を確保するために株式投資を推奨しております。
この「老後生活資金」は、あくまで公的年金で足らない部分を補う役割となるため、投資する企業は、毎期安定的に「配当金」を分配する銘柄のみ選定となります。

この毎期安定的な「配当金」を得る簡単な見極め方法は下記の2大条件をクリアした銘柄のみです。

①誰もが知っている大企業で、毎年安定的に利益を出している
②企業の株主優先の「株主還元」を決算で発表し実践されている

では、今回、紹介する「9984 ソフトバンクグループ(株)」の2024年中間決算を見て行きましょう。

業界 「情報・通信」

本来であれば、まずは投資する企業の業界を解説したいのですが、「ソフトバンクグループ(株)」は、あくまで自社の持株会社の中に、「情報・通信・IT分野」の会社を傘下に収めているだけです。
その持株会社の中に、今話題の「ベンチャーキャピタル投資」が加わっているため、「情報・通信」の純然たる業界には含まれないと思われます。
そのため、業界についての説明は、割愛させていただきます。

ソフトバンクグループ㈱について

何かと話題性に富む「ソフトバンクグループ㈱」、まずは最近の状況を見てみましょう。

①良い点 9月13日に英半導体設計会社アーム・ホールディングスを新規株式公開し、48億7000万ドル(約7180億円)を調達する。

②悪い点 11月6日にシェアオフィス大手、ウィーワークが連邦破産法第11条の適用をアメリカの裁判所に申請して経営破綻しました。
ウィーワークに対する出資額はこれまでに合わせて118億ドル余り、社債等の取得額で41億ドル余りと合計で約160億ドルとなります。

特に新型コロナウィルスが発生した2019年以降、ソフトバンクグループ㈱からは、あまり景気の良い話が聞かなくなりましたね。
自分としては、ベンチャーキャピタルで、しかも後発組のイメージが強いせいか、あまり有望なベンチャー企業先がないように感じております。
特に2010年代は、中国に傾斜していましたので、今回のアーム社の新規株式公開以降、有望なベンチャー企業があるのか把握しておりません。

9984 ソフトバンクグループ㈱ 2024年中間決算プレゼンテーション

では直近に発表された「中間決算 プレゼンテーション」を見ながら、この「ソフトバンクグループ㈱」が皆さんの資金で株式購入し将来十分なリターンを得ることができるかどうかを確認していきましょう。

引用:ソフトバンクグループ㈱ 2024年中間決算プレゼンテーション 17Pより

まず感想として「通期予想」が、このプレゼンテーションに記載されておりません。
つまり、半年先の見通しも経営側が把握できない状況と投資家から見られても不思議ではありません。
自分ならば、通期に対しての「進捗状況」も説明できないような企業に投資したいとは思いません。

中間決算の内容が酷すぎる

世界経済は、今、高金利時代を迎え、必死にインフレを「景気を犠牲にしてでも」抑えようとしております。
つまり、今後、景気はいまの「辛うじて景気指数が良い」感じから、確実に「景気後退」へとなる可能性があります。
そのため、ベンチャー企業への新規公開に依存しているソフトバンクグループ㈱の業績が好転する要素は現時点では「ない」と言えるでしょう。
特に日本国内での事業だけではなく世界規模なので、そこで使用される通貨は「米ドル」になります。
現在の円安では、仮に日本国内で低利で円を借り入れたとしても「米ドル」交換割合が低いので、相対的に「米ドル」を必要とする場合、ますます借入額が多くなると見込まれます。

キャッシュフローについて

ソフトバンクグループ㈱のような数年赤字が続いている企業は、企業が保有するキャッシュが無駄に消費のみされ、会社へ1円も還元されておりません。
つまり、近年だけを見れば、年々キャッシューフローが減り続ける傾向にあります。
では、今回、公表された内容を確認して見ましょう。

引用:ソフトバンクグループ㈱ 2024年中間決算プレゼンテーション 25Pより

営業活動によるキャッシュフロー

これは単純にいえば、この半年でソフトバンクグループ㈱が企業活動を通じて得られた現金です。
昨年に比べ、大幅に生み出される現金が減少しております。
つまりこの数値を見る限り、企業活動が上手くいっていないように思われます。

投資活動によるキャッシュフロー

こちらは、企業が活動する上での「投資した資金」です。
昨年に比べ投資額が増えております。
この数字から「攻めの営業」を実施している最中の様です。

財務活動によるキャッシュフロー

こちらは、企業活動をする上で必要となる現金を、どのように調達または返済したかを表します。
昨年に比べ、5500億円前後、資金収支が削減されております。
これは収入である「借入先からの新規有利子負債増」「子会社持ち分売却収入」と、支出に当たる「借入先の返済額」「金融商品の償還」「配当金支払額」の差が、マイナス127億円と比較的拮抗しており、財務活動によるキャッシュフローは、昨年より安定しております。

現金及び現金同等物の期末残高

単純に企業が保有する現金は、昨年より増加しております。
キャッシュフローの各分野を見ると、支出が多いように見られますが、結果としては「現金保有・増」となっております。
この辺は、さすが孫さんなのでしょうか?
しっかり現金管理は、なされている印象を受けます。

株主還元政策について

公表された「プレゼンテーション」を見ても「株主還元政策」については、ソフトバンクグループ㈱としては、以下の資料のようです。

引用:ソフトバンクグループ㈱ 2024年中間決算プレゼンテーション 財務編 5P、39P

今回の「プレゼンテーション資料」を見る限り、投資家視点からみると、非常に微妙な内容です。

財務編 5Pからわかること

財務編5Pを見る限り、ソフトバンクグループ㈱の投資活動が、うまくいった場合しか想定されておらず、今のような「残念な業績」が昨年同様続く限り、株主還元は「後回し」すると解釈できます。

財務編 39Pからわかること

このページも非常に微妙ですね。
一見、株主還元を考えてますよとアピールしているようですが、米印で「NAVディスカウント水準も考慮事項」と、非常に小文字で、あえて見えずらく記載していることにソフトバンクグループ㈱の「株主軽視」を読み取れます。

配当金推移の記載がなく、代わりに連結総資産の推移が記載あり

引用:ソフトバンクグループ㈱ 2024年中間決算プレゼンテーション 財務編7pより

この資料でソフトバンクグループ㈱が言いたいことは、「会社の連結総資産」は順調に成長してますよ、とアピールしたいのでしょう。
しかし、我々投資家が求めているのは、ソフトバンクグループ㈱へ出資(株式購入)した場合のリターンを示してほしいのです。
その説明が、投資家に伝わりにくいプレゼンテーションの作成をしている状況では、ソフトバンクグループ㈱は「株主軽視」の企業と見られてもしょうがないように思われます。
皆さんも一度、ソフトバンクグループ㈱の中間決算プレゼンテーションを見ることをオススメいたします。

ソフトバンクグループ㈱は、老後生活資金向けの銘柄なのか?

今回の記事の冒頭に記載した「老後生活資金向けの二大条件」から結論を出してみましょう。

①誰もが知っている大企業で、毎年安定的に利益を出している

ソフトバンクグループ㈱は、カリスマ経営者 孫さんが経営しており知名度はバツグンです。
一方、毎年、安定的に多額の利益を上げてはおらず、もしろ近年は大幅な赤字続きです。
この状況では、株主還元を期待する方が酷といえるでしょう。
つまり、投資対象外となります。

②企業の株主優先の「株主還元」を決算で発表し実践されている


今回、公開された「プレゼンテーション」の内容を見ても、「株主視点」から見ると、どのように株主還元がされるかは、すべて業績次第と見てとれるのではないでしょうか?
またその肝心の「業績」も通期予想も記載されていないことから、現状の業績進捗率がわかりません。
ただ、わかったことは現時点で、昨年の大幅な赤字から引き続き、今期も大幅な赤字を記録しそうな予感しかしません。
少なくてもソフトバンクグループ㈱として、株主に対して、明確なリターンを提示されていないことは感じられます。
つまり「株主還元」には前向きでないと思われ、投資対象外となります。

中間決算説明会で提示されたプレゼンテーションは、ソフトバンクグループ㈱の意向が十二分に反映されております。
つまり、このプレゼンテーションの内容は、株主その他ステークホルダーに対してのソフトバンクグループ㈱からのメッセージです。
この示された意思に賛同できる投資家が、ソフトバンクグループ㈱の株主となるわけです。

最後に

今回、はじめてソフトバンクグループ㈱のプレゼンテーションを拝見しましたが、感想はソフトバンクグループ㈱の良い点を強くアピールしたいように思えました。
他の企業のように、客観的に「業績推移及び進捗状況」「株主還元方針」など示されていなかったのは、非常に意外でした。
自分ならば、このプレゼンテーションを見ただけで「投資対象外」です。
自分としては、とても収穫のあった「考察」でした。
今後も、投資する企業の「プレゼンテーション」を見て、その企業の株主に対する思いを感じ取れるかどうか見極めていきたいと思います。

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